インフラエンジニアとは

システムエンジニアとの違い

一番の違いは、プログラムやシステム設計がメインの仕事ではなく、システムを動かすための基盤作りに特化していると言うことです。
そのため、ハードウェアからネットワーク、OSやサーバなど様々な分野に精通したスキルが要求されます。
またシステム開発を円滑に行うために、例えばgitサーバを構築して、ソースがプッシュされたら自動的にアプリケーションサーバをデプロイするなど、様々なオープンソースを組み合わせて作業の自動化も行ったりします。
一般的にお客さんやエンドユーザと直接会話をする機会が少ないのもシステムエンジニアとの違いと言えると思います。

転職する時に有利な資格

インフラエンジニアになるために有利な資格はいくつかあります。
まずどんな業務でもインフラエンジニアであればネットワークは携わるので、IPAのネットワークスペシャリスト、CISCOのCCNAやCCNPを持っていると高く評価されます。
またセキュリティに関する知識も要求されるため、IPAの情報処理安全確保支援士(旧情報セキュリティスペシャリスト)を持っていると評価されます。
あとはデータベースエンジニアであれば、IPAのデータベーススペシャリストやOracleのOracleMaster、サーバエンジニアであればLPIC辺りを持っていると評価されます。
ただし基本的には経験が重要視されるので、資格は持っていれば加点されるくらいで考えていた方がいいです。

インフラエンジニアになるためには

未経験者がインフラエンジニアになるには戦略を立てる必要があります。
新卒採用であれば企業も最初から戦力として考えておらず、ゆっくり教育することを前提としているのでいいと思いますが、中途の場合はある程度の戦力となることを求められます。
プログラマと違うのは、プログラミングはセンスがあれば未経験でも短期間で戦力になる事が多々ありますが、インフラエンジニアの場合は、OSやネットワークに関する膨大な基礎知識を習得した上で初めてスタートに立つ事ができるので、未経験者がいきなり活躍と言うのは難しいです。
(特定派遣であれば未経験でも問題なく採用されるとは思いますが)
そこで未経験者へのおすすめの方法は、先に紹介した資格に合格した上で、インフラ希望でプログラマとして採用される事です。
最近ではクラウドの普及により、プログラマがサーバを触るのが一般的になっているので、プログラミングをしつつ、その片手間でサーバの構築を経験します。その後上司やメンバーにアピールできるだけの実績やスキルが身についたらインフラ専門になりたいと配置転換を申し出る事で、割とすんなりインフラエンジニアの道に進む事ができると思います。
これはSierや社内SE問わず利用できる方法なのでオススメです。

インフラエンジニアのやりがい

携わるシステムの範囲が広い、これに尽きると思います。
要求される知識も浅く広くではなく、深く広くなので、極めようと思っても時間がいくらあっても足りません。
またプログラマも兼任できれば、まさにシステムを一から全部構築できる唯一無二のエンジニアとなる事ができます。
あとはシステムへの理解度が高くなるのもインフラエンジニアの特徴です。
例えば、プログラム上でのデータのやりとりはあくまでもドライバが抽象した世界ですが、インフラエンジニアであればその更に外側のTCP/IPやサーバ間のネゴシエーションに関する知識も習得する事ができるので、より深い部分までシステムを理解でき、それがそのまま仕事への面白みにつなげる事ができます。

インフラエンジニアの年収

あくまでも私の経験上ですが、プログラマやSEと比較して高額となるケースが多いです。 求められるスキルが高いので比例して給料も高いと言えるとも言えますが、特に社内SEだと担当しているインフラエンジニアがいなければシステムが回らないという状況がほとんどだと思うので、会社にとってかけがいのない人材になりやすい傾向があります。
そこをうまく利用して立ち回った上でアピール材料にできれば、昇進昇格へつなぐ事ができます。
ただし、Sierや社内SE問わず必然的に休日の障害対応をやらざるをえないケースが多いので、その辺りは割り切る必要があります。
一応、ホワイトな企業であればちゃんと休日出勤として扱ってくれます。
また、インフラエンジニアはシステムアーキテクトへのキャリアップに向いて いるため、本人の頑張り次第でさらなる高待遇を望む事も可能です。

インフラエンジニアの種類について

ネットワークエンジニア

 
ネットワークに特化した業務に携わっているエンジニアです。
ネットワークの設計からLANケーブルの敷設、ネットワークスイッチのルーティングや外部から侵入されないためのセキュリティ対策を行うのが主な仕事です。
その他、メールサーバの構築やDNSの管理なども兼任することがあります。
システムにとって一番基礎的な部分を担当する重要な仕事だけに、トラブルがあった時は深夜作業や休日出勤は当たり前で結構ハードな仕事でもあります。
クラウド普及により小規模案件が減っていくので、大規模なネットワークが構築できないと将来が心配な職業でもあります。

ハードエンジニア

 
サーバルームに置いてあるような機器の構築を専門とするインフラエンジニアです。
サーバや共有ストレージ、またはロードバランサなどのアプライアンス機器の設計から構築までを担当します。
ハード機器のメーカー特有の知識が不可欠となるので、高い専門性を持ったスキルが必要とされます。
こちらもクラウド普及により自社でサーバを持つことが減っていくので、将来が心配なところがあります。

データベースエンジニア


OracleやMySQLなどのデータベース、特にRDBに特化したエンジニアです。
しかし、無償版のMySQLやpostgreSQLであれば後述するサーバエンジニアが兼任する場合がほとんどで、データベースエンジニアが活躍するのは開発費用が数千万から億を超えるような案件が多いです。
Oracleを導入する際にはメンバーに入れる事が多いです。
データベースだけでなく、Windows、Linux、Unixなどについて細かい部分まで理解している事が必須なので、高いスキルを求められます。
OracleのようにCPUの個数に応じて課金するライセンス体系とクラウドは相性が悪いので、今後はRDB専任のエンジニアと言うのは需要が減っていくのではと思います。
ただし、最近だとRDBと一緒にNoSQLやKVSを組み合わせて高レスポンスを実現するケースが多く、また機械学習でも何かしらのデータベースは利用するので、データ領域専門のエンジニアというポジションが出てくるのではと思います。

サーバエンジニア

 
一般にインフラエンジニアと言えばこちらを指すことが多いですが、プログラムを動かす環境を作るところまでを担当するいわゆるサーバエンジニアです
 OSの設定、アプリケーションサーバやWebサーバの構築、ロードバランサの設定、死活監視の設定、サーバのバックアップ、ソースリポジトリの管理、システム稼働後のチューニングetc... ソフトウェア部分を全て担当するのでとにかく作業範囲が広い上に、スキルの移り変わりが激しいので勉強しないと付いていけない大変な仕事です。
特に最近はクラウドへの移行が急速に進んでおり、従来まで主流だった仮想化が下火になってDockerやkubernetesを使ったコンテナ化が増えてきたりと本当に忙しいです。

ヘルプデスク

 
厳密にはインフラエンジニアではないのですが、サーバという括りではインフラの仕事になるので紹介しておきます。
サーバやサービスに異常が発生してないか日々確認する、いわゆるヘルプデスクです。 まずこの仕事の前提としてスキルは必要ありません。
なぜなら、障害発生時の作業は手順書が作成されており、障害ランプが付いたり、メールが届いたら手順書通りに1から10まで作業するだけだからです。
あえて言えばディスクの空き容量確認など基本的なコマンドさえ使えれば問題ありません。
将来的にはAIの普及によって活躍の場は減っていくと思いますが、どうしても人でなくては対応できない作業もあるはずなので完全になくなることはないと思います。
ただしスキルは全くと言っていい程身に付かないので、上を目指したい方は転職されることをオススメします。

まとめ

ひとえにインフラエンジニアと言っても様々な役割があります。
また実際には、中規模な案件ではこれらの作業を兼任するケースがほとんどで、小規模な場合はヘルプデスク以外の全てを担当することもあります。
更にバックエンドと言われる、JavaやRubyで構築するプログラムの開発も行ったりする時もあります。 とにかく幅の広いスキルが必要となる職業です。
私自身一人のインフラエンジニアとして、システムの基盤を構築するための重要な部分なので、とてもやりがいがある仕事だと思っています。
その他インフラエンジニアについて記事をまとめてますので、よかったらカテゴリのインフラ全般を見てみてください。

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