インフラエンジニアの将来を考える その1
インフラエンジニアの定義
インフラエンジニアを大まかに分けると、自社のLAN敷設からルーティング、メールやDNSを管理する基幹系エンジニアと、仮想ホストから上を管理するサーバエンジニアの二つになると思います。もっと広義だとネットワークエンジニアやDBエンジニアなども含まれますが、その辺りは除外しておきます。 ではクラウドが台頭してきたことで仕事が減ってきたエンジニアはどちらかといえば、後者のサーバエンジニアとなります。
また、この記事で触れるインフラエンジニアもサーバエンジニアを指してます。
しかし、基幹系エンジニアも決して安泰ではなく、今後更にインフラのクラウド化が進むことでクラウドとの連携が必須となり、スキルがないエンジニアは淘汰されていくと思います。 またメールをOffice365やGmailへ、DNSをroute53やGoogleCloudDNSへと、コアな作業が減っている現状もあり、経営層から厳しい目で見られています。
更にIoT端末の普及やSDNといったネットワーク仮想化も浸透しつつあるので、どんどん新しいスキルを習得しないと生き残れないのはサーバエンジニアと同じです。
今時のインフラ事情
ひと昔前までインフラエンジニアと言えば出来る人が少なく、求人市場でも引く手数多な存在でした。しかしここ数年、AWS、Azure、Bluemix、GCPといった大手ITベンダが提供するクラウドプラットフォームが浸透し始めてきて、もはや利用してない会社を探す方が難しい状況になってきました。
私は3年前に転職したのですが、その時でも「うちはインフラをクラウドで管理してるからオンプレのスキルは評価しないよ」という会社が結構ありました。
そして私自身、転職してからいろんなシステムを構築しましたが、インフラは全部AWSで物理サーバを直接触る事はほぼなくなりました。
これは私の経験以外に、メーカーからもハードが売れなくなったという話は頻繁に聞くのでIT業界自体のトレンドと言って差し支えないと思います。
なぜクラウドが流行るのかは説明するまでもないと思いますが、今後オンプレからクラウドに移行するのはどんどん加速していくと思います。
インフラエンジニアの市場価値
私の場合、オンプレ専業で仕事していた時に使っていたラッキングやケーブル取り回しといったハウジングのスキル、L2、L3を使ったルーティングやVLANを切ったりするネットワークスキル、VMWareを使った仮想マシンの構築運用スキル、これらのスキルはインフラをAWSに移してから全て必要なくなりました。
もちろん完全に必要なくなったわけではなく、例えば基本的なネットワークの知識はインフラの仕事を行う上で必ず必要ですが、より高度なネットワークスキルはAWSであればクリック一つでできてしまうので使う事はありません。
また仮想ホストの管理もEC2を使う上ではAWSの中の人の仕事なので、障害対応は当然として、物理CPUコアや物理ストレージのIO負荷についても一切考慮する必要はありません。 そんなわけで私の持っていたスキルはほとんどが無価値となってしまい、キャリアプランを大幅に見直す必要が出てきました。
ただし、全国に工場を持っているような製造系の企業であれば、まだまだオンプレ専業のインフラエンジニアの需要はあると思います。
しかし確実にエンフラエンジニアの市場価値は年々下がっています。
価値が下がらなかったスキル
いくらクラウドで簡単にOSが構築できると言っても、それが継続的に運用できるのとは話が別です。そのため、OSのバックアップやログローテーション、細かいチューニングやセキュリティ関連の設定などの運用スキルは今でも高く評価されています。
あとはapacheやnginxと言ったwebサーバやロードバランサを使ったインフラ構築のスキルもまだまだ活躍中です。
ただし注意しないといけないのが、ここ数年herokuを発端としたサーバレスシステムの需要が増えてきてます。
このままサーバレスシステムが流行っていくと、やがてOSやWebサーバのスキルも価値がなくなるかもしれません。
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